騙されて死体清掃のバイトした話
いやはや、秋茄子は嫁に食わすないうとりますが...
イィィィヤァァァ落語の始まり!
昔話です
自分が大学生頃の口癖は「学生でバイトする奴全員しょーもない」でとにかく働くのが嫌で嫌でしょうがありませんでした。
メインの収入源といえばお年玉と月一で母がくれるお小遣いという中学生と同じ給料体制で大学生活を送っていました。
それだけでは本当に無理で近所の祖母の家に行くと「これで本でも買ってねぇ」と1000円をくれたのでそれでよく帰りにタバコを二箱買っていました。
それでも無理な時は最終手段で21にもなって母親の財布から千円ずつ抜き取ったりもしていました。
でもある日
「財布の金減ってんだけどあんた知らない?」
と言われましたが
「うるせぇババァ!!!!!!!実子の言うことが信じられないっていうのかよ!?!?!!」
と50倍くらいの勢いで怒鳴ると黙りました。
お母さん泣いてたなぁ。
そんな僕にも天職が見つかりました、派遣で見つけたゲームのデバックアルバイトです。
ゲームして金もらえるの!?!?最高じゃん!
つって早速行きました。
実際はちょっと違ってパチンコ台の演出のデバックというバイトで9時から17時までずっとパチンコの演出を見続けるだけという30分が何十時間にも感じられる地獄のような空間でした。
僕の他にいるバイトの人は明らかに世俗を捨てた人ばかりで同じ演出を何回見ても声を出して笑っている脳イキしてる人もいました。
あぁ僕は今この人達と同じ階層にいるんだなぁと嫌なのだけど変に落ち着くそんな空間だった。
そんなある日派遣会社から電話が来た
「今度の日曜空いてますか?」
「空いてますよ〜(またデバックのバイトかな?)」
「簡単な家具の運び出しのバイトあるんですよ〜なんとお昼代も出ちゃうんです!!!」
死んでくれ
後から用事を言うな クソな友達か
僕は本当に心が弱いので容易に空いているといった手前断ることができず、引き受けた。
当日____
集合場所に集まるとそこはどう見てもヤバいゴミ屋敷だった。
おかしい、てっきり引越しか何かだと思っていたがどう考えても嫌な予感しかしない。
集合場所には他にも派遣で来ている人がいた、そしてその中には脳イキもいた。
全員が全員、首をかしげている どうやらこいつらも騙されてきたらしい。 脳イキはゴミ屋敷を見てテンション上がったのかニヤニヤしながら色んな人に話しかけていた。
しばらくすると業者の人が来た、明らかに胡散臭い街のお掃除屋さんみたいな2人組だ。
「いやぁ〜お待たせお待たせ 今日してもらうのはゴミ屋敷の掃除です! 住人は孤独死しちゃったらしいんだけど、保護者がいなくて法律的に手が出せず半年ぐらい経ったけどようやく片付けれる事になったんだよ! 本人は有名な書道家みたいな噂があるから凄いお宝出てくるかもよ〜〜〜!!! じゃあレッツ宝探し!!!エイエイオーーー!!!」
ばかしかいねぇのか
要約するとこの物件はゴミ屋敷で死体は片付けたけど本人の溶けた体液はそのまま放置で半年間そのままとのことこれから消臭作業のためにまず大量のゴミを片付けて欲しいとのこと。
お昼代付き時給1000円の仕事ではない。
カイジの地下くらい物価作業だ。
それにこのアホ業者達は俺たちにコンビニで売っているマスクを一つ渡した。
これだけ?????私服なのだが????
脳イキだけは「アリガトウゴザイマス!!!」って声高らかにゴミ屋敷へ入っていった。
オラオラオラオラ俺たちも脳イキに続け〜〜〜〜〜!!!!!!!!
俺たちも半ばヤケのような状態で入って行く。
入った瞬間に喉に手を突っ込まれたような凄まじい異臭がした。臭いとかそういうのじゃなくて死臭ってこんな感じなんだみたいなそんな匂いだ。
それだけじゃない見渡す限りにゴキブリの数である
常に視線のどこかで黒い何かが動いているようなそんな空間だ。
ゴキブリの卵とみられるものが数千個至る所に張り付いており、その見た目があずきにそっくりな事から俺は今でもあずきが食えない。
ゴキブリが出る度に俺を含めいい歳した男達が「ヒャッッッッッッ」と声をあげたが人間とは恐ろしいもので段々慣れて誰も何も言わなくなった。
ただ一人 脳イキだけは最後まで「ヒャッッッッ」と言い続け全員をイライラさせた。
中央のお茶の間にある布団近くだけは一際匂いがキツく布団にはベッタリとした何かの跡に大量のウジ虫が湧いていた。 全員が全員見て見ぬふりをする。
キツすぎる刺激臭 蠢く大量の虫達
それをもうヤケになってゴミを投げながら片付ける俺________
きっとレイプされてる時ってこんな気持ちなんだと思う
2、3発殴られて知らないおっさんに押さえつけられながら腰を振られ「お嬢ちゃん....天井のシミ数えときゃあすぐ終わるけんのぅ...」と言われる気持ちだ。
俺は たしかにレイプされたんだ。
そしてお昼の作業が終わるとアホ業者に近くの喫茶店へと連れて行かれ
「みんな午前はおつかれ!!! お昼代はでないけど僕の奢りで何でも好きなもの食べていいよ!!!」
と悪魔のような笑顔で言った。
全員が全員、食欲などなく 俯いていた。
そうレイプされたのだからここにいる全員は。
犯された後に飯を食える人間が何処にいる。
俯いた顔から涙を流さないようにするので全員精一杯だった。
これがお前らのやり口か 人間ってのはどこまで汚いんだ。
お昼休憩後は2階の清掃に取り掛かる
ゴミ屋敷の2階は書道部屋のようなものになっていた。
床一面に半紙が撒き散らかしてあり壁や天井にまで墨汁の跡がついていた。
俺たちはちょっとテンションが上がった。その時には既にレイプは「宝探し」へと変わっていたのだ。
人生ってのは何をするかじゃなくてどう楽しむかなんだぜ? Fu俺は滑り込む
どっからどう見ても「お宝」が出てくる雰囲気である、
「オイ!!!みんな来てくれ!!!!」
脳イキが叫んだ。
いそいそと集まるとそこにはお宝.....
ではなく、ユーキャンの書道講座の箱が出てきた
全員が全員固まる
どうやら書道家というのはただの噂で趣味でやっていただけらしい
しかも途中から箱が空いてなかった、どうやら飽きたらしい。
アホ業者は「イイ落ちがついたね〜」とか笑っていた。殺す
その日の作業が終わり家路に着いた
俺は着ていた服をゴミ箱に捨て、泣きながらシャワーを浴びると次の日から派遣の仕事は全てバックれ祖母に顔を出す仕事へと復帰した。